2012年1月のfacebookから(5)
昨夜、『深沢七郎外伝〜淋しいって痛快なんだ』(潮出版社)を出した新海均さんの出版を祝う会に参加。新海さんは光文社の編集者として深沢七郎とは生前も死後も深い関わりを持った方。今日昼から読み始めたら止まらなくなって、内外のすべての用事を先送り。明日の読書会用の読書も省略。面白かった。深沢七郎は映画になった『楢山節考』と、嶋中事件を起こした「風流夢譚」を読んでいただけ。何も知らなかったと実感。川端康成賞を辞退、谷崎潤一郎賞は素直に受賞したその理由や、受賞パーティで「命がけのやくざ踊り」を披露したくだりには胸が熱くなった。放浪したり農場を開いて気ままに生きているヒッピーおじさんという印象があったが、深沢七郎は何をしていても、ぶれることのない骨太の人間だった。著者は終章でこう書いている。「人間の本能を見据えた文学は、災禍を乗り越えて生きてゆく人たちの胸に火を灯す言霊に溢れていることを信じてやまない。」深沢七郎を今年の読書目標に加えようと思う。
- 2012.02.14 Tuesday
- -
- 01:10
- comments(0)
- trackbacks(0)
- -
- by うのよしこ