初めてのTVドキュメンタリー

 

 もう放送は終わったけれど(地域によってはまだ)、初めてテレビのドキュメンタリーを作った。1年ほど前から記録映像を録ってきた「狭山事件」に関するものだ。昨年の足利事件に続いて今年は布川事件で再審無罪が決まった。無期懲役以上の戦後の重要事件で、冤罪を訴えながらまだ再審に辿り着いていないものが何件もある。狭山事件はその代表だ。最高裁への上告が棄却された1977年8月の時点で、その判断に多くの人が首を傾げた。それから実に30年以上も何の進展もなかった。ところが、国民が刑事事件の裁判に関わることになった裁判員制度のスタートと同時に、狭山裁判も動き始めた。それまで隠されていた証拠が少しずつ開示されて来たからだ。「次は私の番〜動き出した『狭山裁判』」というタイトルで首都圏では11月6日深夜に放送した。

再審のためのキーワードは証拠開示だ。犯罪の証明となる証拠は、逆に無罪の証拠ともなる。これまで検察側は、国民の税金を使って集めた証拠を、自由自在に扱ってきた。開示するかどうかは検察側の裁量次第だった。被告が有利になる証拠を握りつぶして来たわけだ。それが出来にくくなったというだけでも裁判員制度は意味があったことになる。

それにしても、冤罪事件の裁判記録を読んでいると恐ろしくなる。誰もが、菅家利和さん(足利事件)、杉山卓男さん、桜井昌司さん(ともに布川事件)、石川一雄さん(狭山事件)にされかねない、という怖さだ。確かな証拠はなくても、推測や可能性で説明できれば、裁判官は人を罪に問えるとわかるからだ。残された「狭山事件」を、今改めて裁判員が裁けば、いったいどんな結論に至るだろうか。


コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>

selected entries

archives

links

profile

Story:17
Last Update:2012/02/14

search

others

mobile

qrcode