李忠成選手

 

 この世はドッグイヤーズ? あっという間に年が暮れ、年が明け、暦は春を迎えた。人間の7倍の速さで駆け過ぎるといわれる犬界の時間の流れが、凝縮されてそのまま頭の中で走っている。もちろん再びの長き不在の言い訳にもならないが。

 ブログを再々開したい。

もう先月のことだ。サッカー・アジア杯で日本が優勝した。そして新しいヒーローが生れた。その名は李忠成。鄭大世など在日コリアンのサッカー選手は、国家代表で試合に臨む場合、自分の国籍に従う。鄭大世は北朝鮮だ。李忠成は日本を背負った。スポーツ界に暗い私は、日本優勝のニュースの中で「アレ?」と不思議に思った。ヒーローは「りただなり」選手と読まれていたからだ。どう見ても顔はコリアン。日本国籍を持つ在日4世だと紹介されて、ようやく半分納得できた。感動したのは次第に李選手のコメントが表に出始めてからだ。

「堂々と本名を名乗りながら、日本のために頑張る在日がいてもいい」彼は自分のスタンスをこう表明していた。彼は日本に生れ、日本文化の中で育ち、日本語しか喋れない。だとしたら、自分の生きる場はこの日本だと思い定め、国籍をとる覚悟を決めたのだろう。在日コリアンにとって、国籍はアイデンティティーの問題だ。奇しくも去年は日韓併合100年。かつての日本による植民地支配が、もともとの民族文化を蔑み否定し、固有の名前さえ奪うという苛烈なものだっただけに、解放後結果として日本に住み続けることになった在日コリアンは、民族の文化と名前、自身が所属する国家というものに拘った。祖国が南北に分断されたままという歴史の不幸が、そのまま在日を引き裂いた時代も長く続いたが、李忠成選手のような4世にとっては、国籍というものは一つのプラグマティックな所属先の選択、と言って言えそうである。1世2世の苦しみ悔しさも理解できるが、この4世の強かさに共感の拍手を送りたい。

 それにしても、「りただなり」とはどういうことなのか。なぜ「イチュンソン」ではいけないのか。日本では外国人の国籍取得を「帰化」という。非寛容の国らしい名称である。国籍取得で「イチュンソン」は却下されたのだろうか。本田選手が李選手を称えるコメントの中で「チュンソンが…」と言っていた。仲間を本当の本名で呼びかける本田選手にも感動した。


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